2013年5月22日水曜日

日本と西洋のシニアスマートフォンユーザーの違いと、グループウェアとワークフローと責任の所在

特に前の会社で痛感した。



前職で海外を飛び回って一緒に外人さんとばかり仕事していると、まだ日本ではスマートフォンが主流になる前から向こうのシニアな人たち(ヨーロッパ特にノルウェー人とイギリス人とか)がBlackberryとかNokiaとかを利用して会社のメールを取得して仕事を現場でもこなしていたのを見て、当時まだその様な端末がなかったザパニーズな僕はちょっと恥ずかしかったりしたのも今となってはいい思い出です。

ヨーロッパのシニアユーザーさんの意識はとてもシンプルで「仕事をするデバイス」という位置付けとしてスマートフォンを考えていることがはっきりしていて、それを使わないと会社からお払い箱になってしまうというドラスティックな現実があるが故にそうなっていたというか、日本と違って美人秘書(あえて美人を付けて夢を膨らませています)がゴニョゴニョするような仕事はごく一部(主に内部フロー)で、ほぼほぼスマートフォンとPCとホテルのインターネットで仕事、スケジューリングなどが完結していた。その為、当時日本のインターネット完備じゃないホテルに泊まったときはカオスだったが…田舎だしネカフェも無いし…

方や日本はと言うと横綱役員様ご本人がメールを見るというケースが無いことが多く、美人秘書が仕訳をしてスケジューリングまで管理して、本人は机に座って日経新聞を読みながらコーヒーを飲みながら、時々美人秘書のお尻やおっぱいを舐める様に眺めたりするのが仕事になっている。(なるほど、Google Adsenseに「アダルトコンテンツだから無理」って言われるのはコレか…)プレゼン資料も若手に作らせて会場で読み上げるだけ。下手したら改ページの方法すら知らないのでそれも誰かにやってもらう。そんな横綱役員様がスマートフォンなど持つワケがないし、スケジュールの確認は美人秘書に直接聞くか電話して聞くので持つ必要も無いのだ。勿論、スマートフォンを使わないから、若しくは自分でスケジューリングとかタスクを管理しないからとて失職することも無い。というケースが多い。というか老眼だしあんな小さな文字を読むとか無理ゲーだしというのが言い分だった。

もっとこじらせると、メールを全て印刷してフォルダーに時系列で綴じなさいという老害もいる。もう完璧に責任転嫁で自分がメールを見ないという罪を完璧に忘れている。そして、印刷して綴じてやっても勿論見ることはない。誰かに検索させる。その方が速いから…

国際品質基準とか国際安全基準とかを守る手前、どうしてもフローと責任の所在が複雑化するという人もいる。でも、それは海外とて同じ事。じゃぁ、何が違うのか?海外の場合のそれは責任の所在とか担当者がハッキリしていて、その責任者本人が業務フローに直接関与しているからだと思う。日本のそれは承認する(ハンコを押す)事だけが責任で、他はお任せなケースが多い。この問題は日本の企業でスーパースター的に仕事をしても評価されない仕組みに原因があると思う。というのもそんなに能力を発揮しても給与査定にはあまり響かないし、給与交渉とか言葉だけで実際に他を圧倒できるような仕組みじゃないからで、海外の場合はモロに個人の能力と評価(Reputation)が給与に直結するので「俺が責任者の期間中は絶対に問題は起こさせない!!」という危機感を常に持っている人が多いからだと思われる。

その具体例じゃないけど、前職で船を運用してて、世界中の色んな港に入り荷積みや荷揚げを行う際に船のオーナーの署名がいる申請書などの発行が必要になるケースが凄く多い。事前にわかっている場合は事前に作っておくのだが、港の法はローカル法でいきなり変わる事もあり、突然その様な申請書を用意する必要が出て来たりするのだ。そのため「どこの港ではこんな申請書がいるよ。みんな気を付けてね!」っていう船主ネットワークが存在する。前職の僕の立ち位置としてはその様な申請書の手配はするけど、サインして責任を負う立場ではなかった。しかし、周りにいる船主たちは皆その権限と責任を持った人たちばかりだった。このスピードの差はどう頑張っても埋まる事はなかった。というかもっと細かく言えば、そう言った申請書は向こうの港の当局から渡って来るものなので僕が吟味するのも勿論、同時に弁護士にも相談したいのだがその場合の弁護士の利用なども制限されていたり、僕の独断と責任でフローが進みにくい中でリスクを取りながら弁護士に持ち込んだりしていた。事後報告と言われようが会社の不利益になるような申請書や宣言書などの署名は許可出来ないし、それが僕の責任だったからだ。

実際に僕が出張中で、新造船の契約書を事務所であまり弁護士と相談せずに締結してしまい後になって色々困ったことがあった。契約書はベースとなる雛形があり、そこから文言を追加か削除していくというスキームなのだが、本来あるべき文言が削除されていて、あんまり必要ではない文言が追加されていたり、もう取り返しがつかないので諦めるしかなかったのだが、そのせいで危険水域への航行を要求されたりで断れなかったりで「一体誰がこんな契約書作ったの!!」とお怒りではあったけど、残念ながらそれはあなた様でございますという状況だった。スピードは疎か正確性にも専門性にも乏しかったということだ。

これらがスマートフォンを使わないことがどう影響してたのか?は実は無関係の様に思えるかもしれない。実際には知識と運用力があればアナログであろうと問題は無い。しかし、自分がどんな仕事をしなければならないのか?どんな仕事に責任があるのか?がはっきりしていない日本の横綱役員様たちに置かれましてはご自分の保身にウェイトが偏っているようにも思えます。すると必然的に「ねぇ、明後日のスケジュールどうなってる?」とか「あれ、どうなってる?」と美人秘書にイチイチ聞かなければならなくなるのだ。

で、自分の責任を果たすためのお助けツールとしてグループウェアがある。スマートフォンとはそのグループウェアのUIのひとつに過ぎなくて、オフィスにいなくても管理が出来るツールでしかないのだ。かつて僕の先輩が、


本当はGoogle Appsなんて使えなきゃいけないのは当たり前で、本来使えない人たちは会社をクビになってなきゃおかしいんだよね


と言っていてその通りだと思った。それくらいGoogle Appsはシンプルだと思う。悪く言えば機能が足りない。しかし、残念ながら日本のユーザーは何をすればいいのか?すらわかっていない人たちが多い。

あれ?いつの間にGoogle Appsの話になってた!!そんじゃまた!!

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