2013年2月12日火曜日

田舎のサービス業のセミプロ感について

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僕が属しているITみたいなカテゴリーの仕事って圧倒的に都会の方が案件数抱えてる。

得手不得手


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例えば僕はパソコンとかITとかに強い傾向にあるかも知れないけど、庭にキュウリの苗を植えて収穫するまで面倒を見ることが苦手だ。というか多分無理だろう。
じゃぁ、そういうのが得意な人がキュウリの栽培を生業にすればいいじゃない?

(特にキュウリには意味はありません…)

なんとなくだけど都会からのIターナーって家庭菜園の延長で田舎で農業でもやってれば幸せになれるんじゃね?的なノリで来ちゃったって人をたまに見る。でもそれって裏を返せば「田舎なんて農業しかすることないんじゃね?」と思われているか、もしくは現実もそうだからじゃないだろうか?そしてこのタイプのIターナーたちはほぼ年金受給者だ。都会での仕事を終えて、余生を過ごしにきている。だからシャカリキになって農業をする必要も無いケースが多い。

プライベートブランドという新たな競争


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そういうIターナーたちが家庭菜園の延長で作った農作物を一般家庭の食卓というマーケットに進出させてくれる場として、ここ数年流行ってる。朝もぎたての新鮮な野菜や果物たちがピッカピカに光って売られる。しかも、かなり安い。一応、農協を通るらしいけど、所謂プロの農家の流通とかかなり違う販売方法だ。仲抜きされてて、ハウス栽培にかかるランニングコストとかも含まれてないし、家庭菜園の延長的に人件費も含まれていないからプロより当然安くなる。そしてそういったプライベートブランド生産者が経済的な見返りにあまり期待していないし、自分たちでは食べきれないから余った分を売るだけ。中には勿論、売ることを目的に沢山作る人もいるだろうが…とあるプロの農家にこう言われた。
あれはさ、俺達プロからしたら素人の仕事なんだよね。農薬の使い方とか間違ってるし…

家庭菜園の延長農家さんたちはホームセンターで農薬を購入して使う際に使用方法を守っていない(薄める比率や回数など)をいうことらしい。僕はあんまり詳しくないのでよくわからないけど、裏を返せば「プロも(プライベートブランドに)ガクガクブルブルしている」ということだけはわかった。なんでもプロ同士の間でプライベートブランドに農作物を出したらプロ農家仲間から村八分を食らってしまうということもあるらしい。その一方で農協によるエグい搾取の事情などもあるらしい…プロなんだったら文句を言わずに最高のパフォーマンスを見せればいいんじゃないの?そもそも、エンドユーザーが生産者がプロかどうかなんてイチイチ見て買ってない。「◯◯県△△市の□□さんが作ったキュウリ」とか顔写真入りで売ってるけど、
スーパーの野菜売り場に行ったら俺のじゃないのに俺が作ったっていうキュウリが売ってた…

っていう話も聞く。もうプロの使われ方ってこういう事にしか使われないのかなというかなんというか…ウチの親なんかは知ってる農家の顔写真と名前が付いてたら「あ!□□さんのキュウリだ!」ってガキみたいに無条件で飛びついて買ってアレな感じでしたが…

セミプロなサービス


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話変わってその他のサービス業について。前の会社にいたころ、大切なお客様をおもてなししようと温泉宿を予約した。予約当日16時頃に宿に着き、仕事(契約関係)の話もケリがついて、17時頃には宿で地元の新鮮な魚介類のフルコースを用意て、お刺身も酒も美味しく、お客様も大変ご満足いただいて、20時頃にみんなで温泉に入ろうということになり、浴衣に着替えてロビーまで降りた。
ここはお風呂から瀬戸内海が見えて最高なんですよ!!

と意気揚々とご案内したんだけど「本日の風呂は終了しました」という虚しい看板がかけられていた。そしてフロントは無人…お客さんをもてなすという事が多くて日頃から思っていたのは「1つでいいからまともな宿泊施設を作って欲しい」ということ。まともじゃないというワケでもないけど、料金だけは都会に負けなくてサービスは…まぁ、設備的に立派なものを作っても運用する人間の問題が...「あなたのお給料はどこから来ていますか?」という問いに対して「会社から出ています」と答えそうな人が多いです。

なぜ田舎のサービス業は劣化するのか?


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田舎のサービス業のレベルが低い理由は恐らく「良いサービス」を知らない事と、その「良いサービス」をしなくても競争せずに守られてきた事と、それらが幾代も継承されてきた事だと思う。田舎のサービス業のレベルの低さを見ればTPPに反対したくなる気持ちもわかる。あれじゃ国際競争はおろか国内競走に勝てない…

田舎のサービス業はどうすればいいのか?


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僕に言われてもわからないけど、卵が先か鶏が先かで…時々、こんなことやって過疎化対策できました的な記事を見るけど、あのようなケースというのは実は物凄く稀な気がする。よっぽど運が良くなければ同じ方法は使えないだろうと思う。だからこそオリジナリティとか独創性とか、勿論、付加価値を産むための魅力が無いとダメだろう。きちんとターゲットを決めてじっくりブランディングしていって、最終的に運用までちゃんと計画して後世に継承することなんじゃないか?

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